中村氏は1973年生まれ、埼玉県羽生市出身。

学校にはほとんど行かず今で言うフリーターのような生活をしていた。

昭和にはフリーターという言葉はなく、短期間で仕事を転々とする、または長らく定職に就かない人のことをまとめてプー太郎と呼んでいた。
吉本もその世代で思うがままに今を楽しみ稼いだお金はキレイに使い切るその日暮らしを送っていたが、中村氏の場合は違った。
某有名大学に入学したものの、仲間を集めチームで稼ぐというフリーターというよりは起業家のような活動をしていたのだ。
「仲間との楽しい時間を最優先にした自由な生き方をしていた。今思えば相当稼いでいた。でもお金は見事なほどに使えた。そして何も残らなかった。」と懐かしげで、どことなく嬉しそうな表情を見せた。
学生時代の得意科目は数学。特に統計学は「今もビジネス上切り離すことはできない」という。
１つ目の大学を除籍になり、「近所にあったから某理科大に入り直した。」とあっさりいうが、一旦学業を離れた者が入れる大学ではない。
精神力と集中力があれば成し遂げられるものなのかもしれない。

２００８年のリーマンショックでは多くの契約解除が発生し、経営危機に直面。

僕たちのようなお金の専門家から見たら大きなチャンスなのに、理解して頂くのは大変なことだった。このクラスの金融危機で判断ミスをする経営者が多いのはお金の教育を受けてこなかったからだと確信をもった。

これには吉本も大いに同意だ。
「金利のことすらよく分かっていない経営者が多いのに、意外と日本の経済はまわっている。『ここ３０年物価がほとんど上がっていないから日本は暮らしやすいいい国だ。』と呑気なことを言ってる人がどれだけ多いことか（汗）」

昨年（２０２０年）のコロナショックではリーマンショックを上回る機器に遭遇。
「その間にも大変なことがいろいろあり、乗り越えられたから踏ん張ることができた。信頼できるパートナーの存在も大きい。」と話し、中村氏は終始笑顔を欠かさない。