教え方を工夫すると理解が本質化する。
「恩師との出会い」を宝に持つ、ハートのある教師。
村上淳一

2023.11.2
第15回目の対談ゲストは、大阪府立箕面東高等学校(以降、箕面東高校)の教諭、村上淳一さん。
村上淳一さん(以降、村上さんと記す)は、昭和53年11月13日生まれで現在45歳。担任クラスを持ちながら社会科の教諭として勤務している。

村上さんと吉本の出会いは、2019年頃。吉本が参加した経営塾で知り合った。経営者が集まるなか高校教師である村上さんは、もっと学べることがあるはずという強い信念から自ら志願して参加した。その熱意に感銘した吉本は、話しかけずにいられなかったと云う。

村上さんは教師になるまでの道のりを順風満帆に進んできた訳では無い。中学1年から柔道を始め、高校でも打ち込み、そのまま柔道のスポーツ推薦で入学した大学を卒業すると、住友商事の子会社に新卒入社した。営業をしていたが、当時の村上さんはまだまだ学生気分が抜けきっておらず、直属の上司から厳しい指導を受けていたと云う。ただ、その上司は仕事に関することだけでなく、『人間性が一番大事』だということを村上さんに教えていた。その熱い指導を心で受け止めた村上さんは、「あの人の下で働いたことは良い経験でした。」と話す。

実は学生時から教師になるのが夢の一つであった村上さんは、大学時代に教員免許を取得していたこともあり、思い切って会社員生活から飛び出て講師として教員人生のスタートを切った。

ただ、ここから村上さんは思いもよらぬ教師になるまでの長い道のりを歩むことになる。講師として生徒に社会科を教える毎日であり、やっていることは教師と何ら変わらない生活を送っていたが、教員採用試験に合格することが出来ず講師を10年続けていたのだ。うち6年は非常勤講師である。

 

教え方を工夫すると理解が本質化する

と村上さんは話す。10年間、講師をしているなかで時間だけは存分にあった為、「どうすれば生徒にわかりやすい授業ができるのか」を追求していった。苦境にあってもそこに真意を見つけ出すこの粘り強さは、柔道で培われたものだと筆者は思う。生徒への教え方を試行錯誤していると、村上さん自身に変化が起こった。それは、社会科に対する理解度がさらに深まったということである。村上さんは、「苦労の10年でしたが、あの10年が無ければ教員としての深さが見つけられなかったと思う」と振り返っている。

ターニングポイント

村上さんは人生のターニングポイントとして、「最初は母親の影響」だと話す。幼少期の村上さんはお世辞にも成績優秀な生徒では無かったと云う。父親は成績のことや学校のことに口出しをするような人では無かったが、母親は違った。村上さんの母は、勉強や仕事で人に一切遅れを取ったことがなく、そこまで努力をせずともオールマイティに何でもこなせる人であり、『勉強できない者はどれだけ頑張っても出来ないものだ』という方針で、「アホは勉強せんでいい」と村上さんに伝えていた。

しかし、ここに教員を志す原点があったと村上さんは振り返り、「くすぶっている子を輝かせたい」と常に思っている。

他にも人生のターニングポイントとして、新卒入社した会社の厳しい上司との出会いや柔道の先生との出会いを挙げている。柔道の先生からは、『努力』『根性』の大事さを学んだと云う。

上記のように、母親や柔道の恩師、会社の上司など先人たちから色々なことを教わり、自身でも『人に教えることの難しさ』やその先にある深い理解度を学んだことが人生のターニングポイントであり、現在の村上さんを築き上げる礎になったと言える。

今後の展望

高校で教師をやっているからこそ出来ることがある

高校卒業後の進路として進学や就職など様々であるが、「生徒たちの抱えている課題を少しでも達成(解決)に導ける教師でありたい。模範となる人間になりたい」と村上さんは話す。

生徒たちの進路を決める判断材料の一つとして村上さんが取り組んでいる活動に、「キャリアアップナビゲーション」というのがある。士業や会社の経営者、専門職を生業としている人などを月に1回招き、生徒に向けて講義をしてもらうというもので、内容は自由。すべて講義をする人にお任せするといった企画である。

村上さんは、「生徒の反応は来られる講師によって様々ですが、刺激を受けているのは間違いない。こんな職業に就いてみたいとか、こんな人生もあるんだ、ということを学ぶ場を提供することに意義があるんです」と話す。

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