地雷処理の専門家
本質論を土台に
ただ『信念』を貫くだけ

2021.11.24
第9回目の対談ゲストは、NPO法人国際地雷処理 ・ 地域復興支援の会の代表、高山良二さん(以降、高山氏と記す)。
日本で数少ない地雷処理の専門家だ。
カンボジア・バタンバン在住の高山氏に運良くスケジュール調整してもらえたのにはある出来事が大きく関係している。
吉本の師匠であり恩人の松谷廣信氏と高山氏は55年来の親友だ。
松谷氏は令和3年11月10日に死去。
挨拶程度だった高山氏との関係が一気に深まったのだ。

吉本は『高山さんといつか対談する』とこのコンテンツ『吉本哲雄のきっと、うまくいく』の完成前から話していた。
『地雷処理』という物騒な活動に人生をかけた高山氏との対談がこんなに早く実現するとは。

世のため人のため

言うのは簡単だ。一時のアクションは誰でもできる。

『お金では解決できないもの』はたくさんある。

カンボジアでの地道な地雷処理活動は目に見えない大切なものを世界中の人たちに見えるようにする魂の行動。
吉本が唱える『心のバランスシート』とも相性が良い。

対談場所は高山氏の生まれ故郷、愛媛県松山市。
講演、テレビ、書籍などメディアに出尽くした高山氏の話は簡単に手に入るが、この対談はそれらとはまるで違うものとなった。

自衛隊時代は遊びまくる毎日

高山氏は1947年生まれ、愛媛県宇和島市出身。

自衛隊時代、給料はほとんど飲み代に消えていった。とにかく毎日遊び歩いた。将来の計画なんかなかったが毎日が楽しかった。射撃の選手(22〜3歳から約10年間)に選ばれてからは夢中で取り組んだ。射撃があったから自衛隊を辞めなかった。

こんな昔話から聞くことになったが、ここだけを切り抜くといつの時代にもいる多数派の社会人だ。
ゴルフも若い頃からハマり、分相応とは程遠い生活をしていたという。

まっちゃん(前述の松谷氏)は俺と違って自衛隊に入る前からしっかり計画を立て目標に向かってた。スゴイやつがおるもんやなぁと思った。

高山氏と松谷氏が出会ったのは偶然ではなかったのだろう。

対照的な高山・まっちゃんコンビは自衛隊入隊(18才)3ヶ月後、後期研修から令和3年11月10日まで55年。長きに亘り、解散することはなかった。

公か私か、が分かれ道。

国内、海外問わず未来の子供たちのため、世界平和のためなど様々な目的で活動する人たちや組織は多い。
素晴らしいことだ。

しかし、高山氏は

救援を必要としてる人はもっと見えないところにいる。

と静かに語る。

今まで20年やってきてたくさんの方々から経済的支援をいただいてる。学校16校、井戸66箇所。

が、そこからが大変なのだ。
建築はお金で解決するが運営は現地の人たちの協力がなければ必ず頓挫するという。例えば井戸の場合、メンテナンスしなければたちまちただの深い大きな穴になる。
学校にいたっては教える側も学ぶ側もそれなりの覚悟がいる。今までそれらの文化がないのだから当然だが、正常な運営を定着させるのは骨の折れる活動なのだ。

「お金出すから建てといて」というのはアレです。
そこからが本当の支援なんです。
公か私か。これが分かれ道なんです。

高山氏の言葉には信念が溢れている。

つなぐために生まれてきた。

大親友を亡くした高山氏と生涯の恩師を亡くした吉本。
どちらともなく『生きる』こと、『生まれてきた理由』の話になった。

自分たちはつなぐために生まれてきた。

高山氏がそう断言した途端、吉本はなんとも言えない懐かしい表情を浮かべた。そして深く納得したように微笑んでいる。
吉本は『つなぐ』話を松谷氏と何度か話していたという。

一人のチカラはたかがしれている。自分がやり始めたこと(地雷処理)はこの先どれだけかかるかわからない。自分も今いるスタッフもいずれ活動できなくなる。その時は次の世代にやってもらいたい。しかし次につなぐことはとてつもなく難しい。サポートしてくれてる人たちも現地の人たちや地域の人たちも同じ。自分の『思い』をできるだけ欠けさせずつなぐことは今まで取り組んできた仕事でも一番難易度が高い。

高山氏の活動に賛同し、建設された学校は16校。
井戸は66ヶ所。
市街地から車で何時間もかかる場所もたくさんあるというのだから、後々の運営がいかに大変かが容易に想像できる。
地雷処理は対人地雷782、対戦車地雷212、不発弾1534
処理面積は東京ドーム約60個分になる。

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